青南プレゼンツ ブルースパワー A-サイド

株式会社青南商事はこの番組の活動を通じて、青森県弘前市のミュージックシーンを応援していきます。

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | - | -
A-Side 2008年11月28日 ON AIR
☆Hound Dog Taylor(ハウンド・ドッグ・テイラー)
この前のゲイトマウス・ブラウンのゲイトマウス(大口)というあだ名もすごいですが、このハウンドドッグも猟犬ですからね・・・。写真をみてもらえると猟犬という感じも確かにあります。まあ、犬顔ですね。本名セオドア・ルーズヴェルト・テイラーと立派な名前があるのに猟犬ですから、親も泣きますよね。
1917年にミシシッピー州ナッチェスというところで生まれています。
子供の頃からミシシッピーの農場で働きながら近所の酒場で歌ってましたが、多くの南部のブルーズマン同じように小作人として働くのがイヤになってシカゴに出ていきました。
彼は40年代からずっとシカゴのストリートでそしてゲットーのバーで同胞の黒人たちに向けてワイルドでパワフル、そしてパンキッシュなブルーズをプレイし続けていました。しかし、長い間レコーディングには恵まれなかったのですが、彼はとにかく毎晩のようにライヴを続けました。そして、彼の初めてのアルバムが世に出たのは1971年。彼が54才の時。完璧に「おっさん」です。
しかし、このおっさん、ただもんじゃない。ベースなし、ハウンドドッグのギターともうひとりのブリューワー・フィリップスのギター、そしてテッド・ハービーのドラム、「ハウスロッカーズ」と呼ばれるこの三人から打ち出されるブルーズは体がのけぞってしまうほど荒々しく、リアルで強烈でした。そのへんのパンク・ロックなんぞ目じゃないです。
このハウンドドッグのブルーズにはブルーズにとって最も大切な心のリアルな衝動が混じりものなしでストレートに感じられます。ビートは常に躍動し歌は心の底から吹き上がっています。
エルモア・ジェイムズ直系のワイルドなスライド・ギターの音を持ち味とするハウンド・ドッグは決して器用な人ではないのがわかります。スライドのピッチがずれることもままあります。歌も上手さで売っている人ではないのですが、この人のブルーズは一度聴いたら忘れられなくなるくらい強烈です。
僕は彼のライヴを一度も観ることができなかったのですが、シカゴのクラブでウィスキーをストレートで飲みながらこのハウンド・ドッグのブルーズで踊り狂いたかったと思います。1975年没。

1.Wild About You,Baby/Hound Dog Taylor
ハウンド・ドッグ・テイラーはこの番組で以前特集したことのあるスライド・ギターの名人、エルモア・ジェイムズ直系のブルーズマンでエルモアの弟子筋にあたります。
この曲もエルモアのカヴァーですが、のっけの強烈なスライド・ギター・サウンドを聴いた僕の友達のひとりは「これって、ギターの音?」と言いました。はい!紛れもなくブルーズ100%のスライド・ギターの音です!

2.It Hurts Me Too/Hound Dog Taylor
相当な音量のギターふたつのからみで始まるこの曲、思わず「おおっ!!」と笑みがこぼれます。ベースのいないドラムとギター二本のサウンドはかなりチープですが、時にジミ・ヘンドリックスのロックを感じさせるのは何故でしょうか。
これもエルモアのカヴァーで「自分の好きな女が他の男を好きで、その男が彼女を大切にしないのに心を痛めている」というつらい歌です。

3.Give Me Back My Wig//Hound Dog Taylor
ハウンドドッグが演奏するシカゴのクラブでは延々とこういうブギが繰り返されて、みんな踊り明かしていたんでしょう。めっちゃファンキーな曲です。
「オレのカツラ返せ」という歌です。ハウンドドッグはいつも帽子を被っていたと思っていたのですが、そういえばいかにもカツラと分かるチープなウィッグを被っている写真を見たことを想い出しました。それはとてもとても不自然な感じでした。
余談ですが、ハウンドドッグは左手の指が6本あります。でも、指が多いからと言っても演奏は普通の人と変わりません。

☆今回のお薦めアルバム
Hound Dog Taylor&The House Rockers/Hound Dog Taylor
(Alligatorrecords/P-ヴァイン・レコード PCD-23955)*P-ヴァイン・レコードの日本盤ではアルバムタイトルが「ハウンド・ドッグ・テイラー・ファースト」となっています。
1971年、アリゲーター・レコードのブルース・イグロア氏はそれまで務めていたデルマーク・レコードを辞めて、このアルバムを出すために自ら「アリゲーター・レーベル」を立ち上げた。彼はそれほどハウンド・ドッグのブルーズに惚れ込んでいたのです。そして、ハウンド・ドッグとハウス・ロッカーズのメンバーが、イグロア氏のその熱意に見事に応えたパワフルなブルーズの名盤がこれだ。
シカゴのサウスサイドのクラブで日頃からやっている彼等のブルーズに何も手を加えないでそのままギュッとパックしたアルバムだ。まあ、これほど強烈な個性あふれるサウンド、歌、グルーヴに余計な手を加えようもないが・・・・・。ブルーズという音楽が一体何なのかという答のひとつがこのアルバムの中にあると思います。そして、ブルーズのそのレアな実体が、1971年という黒人音楽の主流が「ニューソウル」という時代だったにもかかわらず、こうしてアルバムに記録されたことが嬉しい限りです。ハウンド・ドッグの炸裂するスライド・ギター・サウンドの洗礼をこのアルバムで受けてください。
このアルバムの後アリゲータからリリースされた73年の「Natural Boogie」、そして75年のライヴ盤「Beware Of The Dog」も素晴らしいアルバムでお薦めです。

JUGEMテーマ:ブルースパワー
 
On Air曲 | comments(0) | -
スポンサーサイト
- | - | -
Comments
Post a Comment