青南プレゼンツ ブルースパワー A-サイド

株式会社青南商事はこの番組の活動を通じて、青森県弘前市のミュージックシーンを応援していきます。

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A-Side 2008年12月12日 ON AIR
☆Howlin' Wolf(ハウリン・ウルフ)
ここのところこの番組の私が担当のSide Aに登場するブルーズマンの名前というか芸名(あだ名)がすごい人ばかりでしたが、今回もまた強力な名前です。
ハウリン・ウルフ、つまり「吠える狼」ですよ。本名はチェスター・バーネットというどこか品を感じさせる名前なんですがね。
しかし、その名前のように彼の歌うブルーズは強烈で誰でも一度聴いたら忘れられないインパクトがあります。しかし、インパクトが強すぎて最初なかなか好きになれない人もいるようですが、このハウリン・ウルフこそ後続の黒人だけでなくイギリスのローリング・ストーンズやジム・モリソン、そしてドアーズなど60年代のロックバンドにも強い影響を与えた偉大なブルーズマンなのです。
1910年ミシシッピー生まれ。かの伝説のブルーズマン、ロバート・ジョンソンとほぼ同じ年代です。ミシシッピーにいた頃からデルタ・ブルーズの創始者と呼ばれるチャーリー・パットンやサン・ハウスにくっついて旅をし、ロバート・ジョンソンやサニーボーイ・ウィリアムスンとも若き日に放浪の旅に出ていた。それだけでもわかるようにもう体中すべてがBLUESのような人だとわかる。
とくにデルタ・ブルーズの巨人チャーリー・パットンの影響はその唱法ほか彼の音楽性に色濃く感じられる。

1.Rockin' Daddy/Howlin' Wolf
このRockin'のRockという言葉には、音楽的なリズムがグルーヴする意味やダンスする意味と同時に性的な意味(SEXそのものと言ってもいいのですが・・)がありますが、この歌はまさにそのふたつの意味をもってます。Daddyは「とうちゃん」ですが、この場合は「男」「野郎」っていうことですね。つまりロックする野郎。
「みんなはオレのことロッカーって呼ぶんだよな。そう、一晩中オレはロックできるぜ」と、ひとつの意味としてはHを自慢している歌ですね。
まあ、一度聴いたら忘れられない暴力的とも言えるパワフルな、ざらついた歌声です。私はこの声を初めて聴いた時、それまで聴いたことのないような歌声だったので頭をゴン!と叩かれたような思いがしました。
きれいな歌声というところからはほど遠いダミ声は、きれいごとでは済まないブルーズという音楽の内面を表しているようでもあります。
しかし、声のワイルドさゆえに大ざっぱな人かと思いきや、彼が作る詞や曲はなかなかに繊細です。その話はまた後日に。

2.Back Door Man/Howlin' Wolf
またまたHな歌です申し訳ないですが・・・。
「男たちは知らないけどね、女たちはみんなわかっている。オレがバック・ドア・マンだって」という歌なんですが、バック・ドア・マンって直訳すると「裏口男」ですが、要するに「間男」のことです。旦那とか彼氏がいない間に裏口から入って情事してしまう男のことですね。
ブルーズに限らずアメリカのソウルやロックにはこの手の歌がかなりあります。アメリカの映画やドラマでも女房が他の男を家に引き入れて情事しているところに旦那が帰ってきてしまうというシーンが多々あります。その逆もよくありますが・・。現在、日本でも「貞節」とか「貞操」という言葉は死語に近くなっていますが・・・。それにしても、「オレは裏口男だぁ」と歌にしてしまうところがアメリカというかブルーズはすごい!です。
ミシシッピーあたりを放浪した後、40年代に入ってからメンフィスに腰を下ろした。
初レコーディングが1951年ですでに40才を過ぎていた。
40才で初録音なんてほとんどいまでは考えられないことですが、プロになるという意識がなく田舎の酒場などで週末だけライヴをやっていた黒人ブルーズマンの中にはそういった遅咲きの人が結構います。
その初録音をしたメンフィスの「サン・レコード」にもウルフは素晴らしいブルーズを残していますが、52年から亡くなるまではずっとシカゴの「チェス・レコード」からシングル、アルバムを出し続けました。今日聴いてもらっているのもそのチェス録音のものです。そして、チェスから出した録音からヒットがたくさん生まれ、その中のいくつかの曲は現在でもブルーズのスタンダードとして歌い継がれています。

3.Louise/Howlin' Wolf
ウルフの歌も素晴らしいのですが、ウルフのブルーズをずっと後ろで支え続けたギタリストのヒューバート・サムリンの切れ味最高のギターが聴けるのがこの曲。
ウルフはミシシッピーの香りがする土着的な力強い歌がウリだったが、サムリンのギターはB.B.キング・スタイルのモダン・ブルーズ・ギター。しかし、このふたつがうまく合体したところでウルフの独自のブルーズ・サウンドが出来上がったと言えます。ちなみに60年代にイギリスのエリック・クラプトン、ストーンズのリズム隊であるチャリー・ワッツ、ビル・ワイマンたちロック・ミュージシャンとコラボしたアルバム「ロンドン・セッション」を録音した時も、右腕のヒューバートだけは連れていったウルフでした。
ステージではスクーターで登場したり、股ぐらをつかんでニヤニヤ笑ったり、ステージを這い回ったりかなり破天荒なパフォーマンスをした人ですが、インタビューや彼の自伝「ハウリン・ウルフ/ブルースを生きた狼の一生」(P-Vine Books刊)を読むと理性的で知的な人だったことがわかります。時代の流れに流されていくブルーズマンも多い中、彼は一徹な人で最後のアルバムとなった「Back Door Wolf」までしっかりと芯の通ったブルーズをやり続けた人でした。
また、彼の曲が多くのロック・ミュージシャンにカヴァーされたのも大きな特徴です。
クラプトン在籍のクリームは"Sittin' On Top Of The World"と"Spoonful"、ドアーズは"Back Door Man"、ジミ・ヘンドリックスは"Killing Floor"、ローリング・ストーンズは"The Red Rooster"と、ブルーズ系ロックバンドは必ずと言ってよいほどウルフの曲をカヴァーしている。それほどウルフの曲には魅力がある。
アーシーな魅力をたっぷり含みパワフルにグルーヴし、ギター・サウンドとしてもかっこいい。そして、ウルフやウィリー・ディクソンの書いた曲と詞が素晴らしいからだ。私も自分のバンド"blues.the.butcher-590213"のアルバム「Spoonful」で"Spoonful""Sittin' On Top Of The World""Killing Floor"の3曲をカヴァーしたくらいウルフは大好きてす。
彼の勇姿を観たい方はDVD「Howlin'Wolf/ヴィンテージ・ライヴ 1970」(Pヴァイン PVDV-39)を買い求めてください。目が飛び出ます!!!
最後にウルフの人間性がよくわかる話をひとつ。
ブルーズマンの中にはその日暮らしのような生き方をする人が多いのですが、ウルフは自分のバンドのメンバーがバンドがなくなっても生活に困らないようにみんなのギャラから少しづつ保険用に貯めていた人でした。

☆今回のお薦めアルバム
The Real Folk Blues/Howlin' Wolf (Chess     MCA UICY-3434)
これは50年代と60年代のチェス・レコードでのシングルを集めたアルバム。名曲「Killing Floor」も収録されている。中身も充実しているが私はこのジャケ写が大好きだ。亡くなった私の母方の叔父を想い出させるこのウルフの笑顔は叔父がお酒を飲んでごきげんになった時の顔に似ている。素敵な笑顔だ。
このアルバムは1966年にチェスからリリースされたものだが、これ以前に出された「Moanin' In The Moonlight」と「Howlin'Wolf」という2枚のアルバムも歴史的な名盤。



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