青南プレゼンツ ブルースパワー A-サイド

株式会社青南商事はこの番組の活動を通じて、青森県弘前市のミュージックシーンを応援していきます。

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A-Side 2009年1月3日 ON AIR
☆J.B.Lenoir(J.B.ルノアー/1929〜1967)
1929年 ミシシッピー州モンティセロ生まれ子供の頃、お父さんにギターを教えてもらったルノアーは10代から南部を転々と働きながら演奏して放浪していた。
そして1949年、20才の時にブルーズマンとして一旗上げようとシカゴに向かう。最初可愛がって面倒を見てくれたのは、マディの面倒も見た優しい大先輩のビッグ・ビル・ブルーンジーだった。そして、その特異な才能が認められてすぐにクラブ・シーンの人気者になり、51年にはJOBレコードで初録音し彼の有名曲のひとつとなった"Let it Roll"などが残された。その後、パロット・レーベルに在籍した後チェス/チェッカーに移籍。
そのチェッカーからリリースされた2枚組のアルバム「NaturalMan」、それが初めて私が買ったルノアーのアルバムだった。しかし、最初は彼のやたら高い歌声と数曲でドラムのスネアーが裏返り気持ちの悪いビートになってしまうのに耐えられず何年もレコード棚に放置したままだった。それがある日、ルノアーの歌詞を読んでいたら「ああ、この人ってこんな人だったんだ」って思い直して再び聴き始めたらもうハマってしまった。
彼は心優しい、繊細な、そして反骨精神のある正義漢でした。
その後も小さなレーベルにいくつか録音しているが、後年2枚ヨーロッパでリリースされたアルバムがいまは「ベトナム・ブルース」というタイトルで1枚になって発売されている。それも素晴らしいので機会があったら探してみてください。ちなみにそのアルバムは政治的という理由でアメリカでは発売されなかったものです。

1.Slow Down/J.B.Lenoir
これは私がブルーズに惹かれ始めた頃、よく聴いていた"American Folk Blues Festival 1963-1966"というコンピレーション・アルバムに収録
されている曲。
高い声で歌われる美しい8小節のブルーズ・バラードに最初女性かと思った。
Slow Downとはスピードを落としてくれという意味。この曲では彼女を列車に喩えて「君の列車に乗りたいからもっとスピードを落としてくれよ」と歌っているのですが、性的な意味あいもありの曲だと思います。
でも、いやらしくならないところがこのルノアーの人間性ですね。

2.I Feel So Good/J.B.Lenoir
このJ.B.ルノアーは1曲目のようなゆったりした曲もすごくいいのですが、こういうアップテンポの曲にも独特の疾走感があって素晴らしいです。
こういうアグレッシヴな曲でも鋭角的にはならず、どこかにほんわかとしたテイストを感じるのもルノアーの人柄でしよう。ルノアーのこの曲と"Mojo Boogie"を自分のバンド「blues.the-butcher-590213」のアルバム"Mojo Boogie"に収録できたことは、ブルーズを歌う者として大きな誇りでした。

3.Alabama/J.B.Lenoir
J.B.ルノアーは政治的なことをダイレクトに歌った希有なブルーズマンでした。「ベトナム・ブルーズ」では当時のベトナム戦争に対して反戦の意を表し、また「アイゼンハワー・ブルーズ」では当時のアイゼンハワー大統領を揶揄したとしてこの曲は発売禁止になりました。
彼はとても温かい人柄で優しい人でした。そういう優しい性格が彼の中の正義感を押し上げて戦争や貧困、人種差別について歌わざるを得なかったのでしよう。
「Born Dead」という曲では「黒人として生まれた赤ん坊は生まれながらにして死んだようなものだ」と人種差別を糾弾し、「ベトナム・ブルーズ」ではいつも平和を唱えているだけの大統領を非難し戦争を終わらせてベトナムに行っている兄弟たちを助けてくれと言い、この「アラバマ」では人種差別と貧困に苦しむアラバマを本当は好きなのにいつまでもひどい状況下のあまりアラバマは嫌いだと歌っている。

4.Mojo Boogie/J.B.Lenoir
ルノアーは若い頃ニューオリンズにしばらくいたのですが、その時のことでしょうか。「ニューオリンズにいたんだ。とっても素晴らしい時を過ごしたんだ」と、楽しかった時のことを歌っています。この歌が私は大好きで歩いている時に小さな声で歌ってることもあるほどです。元気になります。
60年代、ヨーロッパでの評価も高まり新しいスタートを切ったルノアーでしたが、1967年交通事故に遭いあっけなく亡くなってしまいました。
享年38才という若さでした。
ブルーズという音楽は酒や恋愛やお金のことばかり歌っていると思っている方々、政治や社会のことも強い意志をもって歌ったルノアーを是非聴いてみてください。
もうひとつ、2004年に日本でも公開されたマーティン・スコセッシ総監督の「ブルース・ムーヴィ・プロジェクト」の7本の映画の中のひとつ、「ソウル・オブ・マン」(監督ヴィム・ヴェンダース/発売元 日活)に素晴らしいルノアーの映像が出てきます。
そんなに長くはないですが、ルノアー本人がギターを弾いて歌い、そして少し話している姿を見ることができます。それだけで彼の人柄がわかると思います。

☆今回のお薦めアルバム
The Mojo/J.B.Lenoir(Pヴァイン  PCD-24161)
ルノアーがJOB,USA,Vee Jayと3つのレーベルに残した音源をまとめたもので、日本盤でたぶんいま一番入手しやすいのではないかと思う。
先ほど書いたように彼の高い声に最初戸惑う人たちがかなりいるけどハマると絶対ぬけられなくなります。ブギのノリも最高だし、彼の声に優しさや温かみを感じると思います。心優しい社会派ブルーズマン、J.Bルノアーを是非聴いてみてください。

JUGEMテーマ:ブルースパワー
 
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