青南プレゼンツ ブルースパワー A-サイド

株式会社青南商事はこの番組の活動を通じて、青森県弘前市のミュージックシーンを応援していきます。

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | - | -
A-Side 2009年2月6日 ON AIR
☆Junior Parker(ジュニア・パーカー/本名ハーマン・パーカーJr.  1932〜1971)
『キング・オブ・モダンブルーズ・シンガー〜ジュニア・パーカー』
ジュニア・パーカーは歌いながらハーモニカも吹くが、基本的にはいわゆる「スタンダップ・シンガー」(楽器を何も持たないで歌だけ歌うシンガーのこと)だ。「スタンダップ・シンガー」と呼ばれるボビー・ブランドやこのジュニア・パーカーがアメリカ(とくに黒人コミュニティ)、そしてイギリスなどではとても評価が高いのに我日本ではまるで人気がない。
以前にも言ったかも知れないが、その大きな理由はギターを弾かないからだ。我が国では残念なことにギターを弾かないブルーズマンは人気がない。人気があるのはギタリストのブルーズマンばかりだ。だから来日するブルーズマンもギタリストがほとんどである。ブルーズの中にはハーモニカを吹く人もピアニストもそして、楽器を弾かないヴォーカルだけのブルーズマンもたくさんいるのに・・・これは完全にブルーズという音楽に対する日本人の認識不足、勘違いから来ている。
ギターは確かにブルーズという音楽の中で重要な楽器ではあるが、ブルーズはギター・ミュージックではない。強く言いたい-「ブルーズはヴォーカル・ミュージック」だ。60年代のベンチャーズからの日本人の悪癖だと僕は思っているのだが(ベンチャーズが悪いわけではない)、ギター偏重の傾向はブルーズにもあり、歌を歌わないでブルーズのギターだけ弾く人がかなり多い。
例えば日本のいろんなライヴハウスでやっているブルーズのセッションでも、何人も何人もギタリストが出てきて歌を歌わないで延々とブルーズのギター・ソロだけを弾く。それが理由で私はブルーズ・セッションというのが嫌いになった。
そういうギター偏重の流れを是正するためにもこのジュニア・パーカーを聴いてもらいたい。
想い出せば、アメリカではB.B.キングと双璧の超一流ブルーズ・シンガーであるボビー・ブランドが来日した時も客入りは信じられないくらい少なかった。ブランドがギターを弾かないからだ。
ジュニア・パーカーは幼い時にラジオから流れてきたサニーボーイ・ウィリアムスン(ライス・ミラー)の影響でハーモニカを吹き始めた。
16才の時にはラジオで聴いていたサニーボーイ自身からバンドへの参加を依頼されることになった。その後ハウリン・ウルフのバンドに入りツアーを続け、徐々にその卓越した歌唱力が話題になりメンフィスのサン・レコードで"Feeling Good"や"Mystery Train"といった素晴らしい音源を残したが、一躍名を知られることになったのは「デューク・ピーコック・レコード」と契約してからだ。そのデュークからリリースされた曲はすべてが素晴らしく、あっと言う間に黒人コミュニティではボビー・ブランドと並ぶ大スターにのし上がっていった。しかし、若き日にサニーボーイ、ウルフの下で培われた彼の深いブルーズ・テイストは大スターになっても消えることはなかった。

1.Next Time You See Me/Junior Parker
私はジュニア・パーカーのことを勝手に「ブルーズ界のサム・クック」と呼んでいる。前述したようにモダン・ブルーズ・シンガーとしてはボビー・ブランドと双璧の歌の上手いシンガーだが、ブランドの歌はどこかゴツゴツした感じがあるがパーカーの歌は本当にスムースだ。あまりにスムースで簡単に聴こえてしまうのだが、自分で歌ってみるとこれが実に難しい。この歌は私もカヴァーしているがなかなか届かない。
「次にオレに会う時は同じじゃないぜ」と男らしく決めるこのブルーズはパーカーの代表的な曲でいまもたくさんカヴァーされているスタンダード。
2.Driving Wheel/Junior Parker
ジュニア・パーカーの歌の力が十二分に発揮されているブルーズの名曲だ。パワー、テクニック、声域、声質、ダイナミズム、グルーヴ感、そして説得力どれをとっても非の打ち所のない素晴らしい歌唱だ。また、ブルーズをこんなにメロディックに歌えるシンガーもいない。
3.Seven Days/Junior Parker
この曲はブルーズというよりはサム・クックなどに近いリズム&ブルーズだ。パーカーはこういう歌も歌いこなせる技量を持っていた。
アップ・テンポの強力なダンス・ナンバーでバックの盛り上がりと呼応するようにファルセットのシャウトでテンションが上がっていく歌唱は絶品だ。

4.Cryin' For My Baby/Junior Parker
この曲ではパーカーのハーモニカを聴くことができる。不思議なのはホーン・セクションが入ってモダンな曲調なのにダウンホームなパーカーのハーモニカの音が見事に溶け合っていることです。パーカーはモダン・ブルーズのシンガーですが、どこかに土着的なものが残っている人です。後期にはブルーズ以外の曲も歌った人ですが、やはりどこかにブルーズのテイストがある人だった。

「デューク・ピーコック・レコード」ではしっかりしたアレンジの元、ホーンを入れたゴージャスなサウンドがパーカーの歌によく合い"Next Time You See Me""Driving Wheel"などのヒットを飛ばして一世を風靡した。
50年代中頃は同じデューク・レコードのボビー・ブランドと「ブルーズ・コンソリディテッド」というパッケージ・ショーを組んで中西部、南部を盛んにツアーし、ふたりは黒人サークルで人気を二分していたが、その頃のふたりのステージを思い浮かべるだけで胸が熱くなる。
60年代後期にはマーキュリー、ブルーロックといったレーベルでビートルズのカヴァーなどを含んだアルバムを出していたが、71年に脳腫瘍で39才という若さで亡くなりました。
よく来日する黒人ミュージシャンに「私はブルーズが好きでブルーズを歌っているんだ」というと、よく「君はジュニア・パーカーを知ってるかい。最高のブルーズ・シンガーだよ」と絶賛する声を聴く。スマートでスウィートでありながらディープなブルーズを歌ったパーカーはブルーズというジャンルを越えて多くの黒人ミュージシャンにリスペクトされていたのだと思う。

☆今回のお薦めアルバム
Junior's Blues(The Duke Recordings vol.1)/Junior Parker
(MCA  MVCM-397)
これはかって日本のMCAビクターからThe Duke Recordings vol.1とvol.2として発売されていたアルバムですが、現在、残念なことにジュニア・パーカーの日本盤はレコード店では見かけません。だから中古盤屋、またはネットなどで探してください。ビクターさん、まだ発売権もっていたら是非再発してください。
このアルバムには53-64年までデューク・ピーコック・レコーズに残したジュニア・パーカーの代表的な曲が18曲収録されている。是非、上質のブルーズ・ヴォーカルをこのアルバムで堪能してください。

JUGEMテーマ:ブルースパワー
 
On Air曲 | comments(0) | -
スポンサーサイト
- | - | -
Comments
Post a Comment