青南プレゼンツ ブルースパワー A-サイド

株式会社青南商事はこの番組の活動を通じて、青森県弘前市のミュージックシーンを応援していきます。

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A-Side 2009年3月6日 ON AIR
『シカゴ・ゲットーのヒーロー/ジュニア・ウェルズ』
☆Junior Wells(ジュニア・ウェルズ)ウエスト・メンフィス生まれ。1934〜1998ジュニア・ウエルズが物心ついた頃、メンフィスの音楽シーンはまさに活況を呈していた。ハウリン・ウルフやB.Bキング、ビッグ・ウォルターといったブルーズマンたちがしのぎを削っていた。ジュニアは子供の頃にそのメンフィスの大物ブルーズマンのひとりジュニア・パーカー(このサイトでも前に紹介している)にハーモニカの手ほどきを受けている。そして、12才の時にシカゴに移り住みのちに「エイシズ」というグループになるドラムのフレッド・ビロウ、マイヤーズ兄弟たちと一緒にハウス・パーティなどで演奏するようになった。そして、リトル・ウォルターが抜けたマディ・ウォーターズのバンドの後釜ハーピストとしてわずか18才で参加している。いくつかのマイナー・レーベルにシングルをレコーディングしていたが、1965年にデルマーク・レコードからリリースした"Hoodoo Man Blues"が初のアルバムだ。このアルバムが白人のロック・ファンに売れてジュニアはこのアルバムのギタリストを務めたバディ・ガイとふたりでロック・コンサートにもよく顔を出すようになった。今回はその"Hoodoo Man Blues"のアルバムから聴いてみたいと思います。

1.Snatch It Back And Hold It/Junior Wells
勢いよく始まったアップ・テンポの曲。B級っぽいファンク・テイストがカッコいいです。いかにもシカゴのゲットーのクラブという猥雑な感じも醸し出しています。お尻の大きな黒人のお姉ちゃんがフロアで踊っている姿が目に浮かびますね。

2.Hoodoo Man Blues/Junior Wells
何だろうこの音と思う揺れた音は実はギターの音です。実は録音最中にギターアンプが壊れたとかで急遽オルガンに使うレズリー・アンプでギターを鳴らすことになったらしい。ギターのバディ・ガイはこの音が嫌いらしいが、私はとても不気味でユニークでこの曲にもマッチしていると思うが、どうでしょうか?当時、ウエストコーストではサイケデリック・ロックが流行っていてそういう西海岸のロック野郎たちにもこの曲はウケていたそうです。

3.Ships On Ther Ocean/Junior Wells
ジュニアの歌のバックで流れているバディ・ガイのギターがなんとも怪しげでクレイジーでいい。バックはギター・トリオなのでこういうスローになると音のすき間がすごくあっていわゆる「スカスカ」状態だ。
まあ、ロック・バンドのクリームやツェッペリンのように大音量にすればスカスカはなくなるのだが、私にはこのスカスカがたまらない。また、音が埋まっていなくてリズムだけが刻まれているこういうサウンドもひとつブルーズの魅力だと思う。

4.Good Morning School Girl
これはジュニアが影響を受けたシカゴの大先輩ブルーズマン、サニーボーイ・ウィリアムスン(一世のジョン・リー・ウィリアムスンの方)の大ヒット曲だ。「おはよう、可愛い女学生、オレと一緒に帰らへんか?君のおとんとおかんにはオレは学校の友達やって言えばいいやん。
オレの彼女になってくれよ、そしたらダイヤモンドの指輪買うたるわ。
でも、彼女になってくへんのやったら、な〜んも買わへんけどな・・・」というような意味なのだが、一体どういうシチュエーションなのか甚だ理解に苦しむ歌だ。援助交際か?そんなことはないだろう・・・・。

ジュニアは60年代後期から、「ファンクの帝王」J.Bことジェイムズ・ブラウンの影響を強く受けて、かなりファンクっぽいブルーズをやるようになった。その頃のフィルムを観てるとダンスやアクションにもJ.Bの影響が出ている。でも、どこかB級な感は歪めない。そのB級感が面白い、楽しいと思わないとこのジュニアの良さはわからない。私個人としては今回聴いてもらったこの"Hoodoo Man Blues"くらいのファンク・テイストのジュニアが好きです。
1975年にはバディとふたりで来日した。当時バディは38才、ジュニアは40才。脂の乗り切った素晴らしいブルーズを聴かせてくれたが、楽屋ではふたりともずっとポーカーに興じてドル札がテーブルの上を行き来していました。確かジュニアが負けて少しご機嫌ななめでステージに出て行きました。
その後もジュニアは地道にアルバムも出し、ツアー、ライヴも続けていた。アルバムとしては60年代終わりの「ヴァンガード・レコード」から出た"It's My Life.Baby"と"Coming At You"の二枚がいまも私の愛聴盤だ。
1998年にジュニアはシカゴで癌のため64才で亡くなった。亡くなる1年前に私はニューオリンズのフェスでジュニアを観た。前日、同じステージに出ていた盟友のバディ・ガイがあまりブルーズ色のない白人のロック・ファンをやたらと意識したつまらない演奏に終わったのに比べ、ジュニアはロウ・ダウンなスロー・ブルーズとファンク・テイストのダンス・ナンバーが見事に決まった濃いブルーズのステージを見せてくれました。バディほどの成功はなかったがブルーズマンとして最後までスジを通した人だった。

☆今回のお薦めアルバム
Hoodoo Man Blues/Junior Wells(Delmark DD-612   Pヴァイン・レコード PCD-23640)
1965年リリースのこのアルバムがジュニア・ウェルズのデビュー・アルバムだ。このアルバムの大きな特徴は音がスカスカであるが故に醸し出される全体の生々しく、ダークでクレイジーな空気感だ。バックはギターのバディ・ガイにベースのジャック・マイヤーズ、ドラムのビリー・ウォレンの3ピースだ。ジュニアのハーモニカ・ソロが入ると音が少し厚くなるが全体的にサウンドはチープでペラペラ、スカスカだ。このペラペラ、スカスカの音が気に入るかどうかがまずこのアルバムを好きになるかどうかの分かれ目のような気がする。
現在CD化されたこのアルバムのクレジットではちゃんとギター/バディ・ガイとなっているが、発売当初はバディはチェス・レコードて契約していたため名前が出せず、「フレンドリー・チャップ」と変名を使っていた。しかし、誰がどう聴いたってこのギターはバディだけど・・・。このアルバムはジュニアがずっと自分のホーム・グラウンドとしていたシカゴの「テレサズ・ラウンジ」で当時やっていたライヴをそのままスタジオに持ってきたようなものだった。
だからムードは最高です。


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