青南プレゼンツ ブルースパワー A-サイド

株式会社青南商事はこの番組の活動を通じて、青森県弘前市のミュージックシーンを応援していきます。

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A-Side 2008年12月12日 ON AIR
☆Howlin' Wolf(ハウリン・ウルフ)
ここのところこの番組の私が担当のSide Aに登場するブルーズマンの名前というか芸名(あだ名)がすごい人ばかりでしたが、今回もまた強力な名前です。
ハウリン・ウルフ、つまり「吠える狼」ですよ。本名はチェスター・バーネットというどこか品を感じさせる名前なんですがね。
しかし、その名前のように彼の歌うブルーズは強烈で誰でも一度聴いたら忘れられないインパクトがあります。しかし、インパクトが強すぎて最初なかなか好きになれない人もいるようですが、このハウリン・ウルフこそ後続の黒人だけでなくイギリスのローリング・ストーンズやジム・モリソン、そしてドアーズなど60年代のロックバンドにも強い影響を与えた偉大なブルーズマンなのです。
1910年ミシシッピー生まれ。かの伝説のブルーズマン、ロバート・ジョンソンとほぼ同じ年代です。ミシシッピーにいた頃からデルタ・ブルーズの創始者と呼ばれるチャーリー・パットンやサン・ハウスにくっついて旅をし、ロバート・ジョンソンやサニーボーイ・ウィリアムスンとも若き日に放浪の旅に出ていた。それだけでもわかるようにもう体中すべてがBLUESのような人だとわかる。
とくにデルタ・ブルーズの巨人チャーリー・パットンの影響はその唱法ほか彼の音楽性に色濃く感じられる。

1.Rockin' Daddy/Howlin' Wolf
このRockin'のRockという言葉には、音楽的なリズムがグルーヴする意味やダンスする意味と同時に性的な意味(SEXそのものと言ってもいいのですが・・)がありますが、この歌はまさにそのふたつの意味をもってます。Daddyは「とうちゃん」ですが、この場合は「男」「野郎」っていうことですね。つまりロックする野郎。
「みんなはオレのことロッカーって呼ぶんだよな。そう、一晩中オレはロックできるぜ」と、ひとつの意味としてはHを自慢している歌ですね。
まあ、一度聴いたら忘れられない暴力的とも言えるパワフルな、ざらついた歌声です。私はこの声を初めて聴いた時、それまで聴いたことのないような歌声だったので頭をゴン!と叩かれたような思いがしました。
きれいな歌声というところからはほど遠いダミ声は、きれいごとでは済まないブルーズという音楽の内面を表しているようでもあります。
しかし、声のワイルドさゆえに大ざっぱな人かと思いきや、彼が作る詞や曲はなかなかに繊細です。その話はまた後日に。

2.Back Door Man/Howlin' Wolf
またまたHな歌です申し訳ないですが・・・。
「男たちは知らないけどね、女たちはみんなわかっている。オレがバック・ドア・マンだって」という歌なんですが、バック・ドア・マンって直訳すると「裏口男」ですが、要するに「間男」のことです。旦那とか彼氏がいない間に裏口から入って情事してしまう男のことですね。
ブルーズに限らずアメリカのソウルやロックにはこの手の歌がかなりあります。アメリカの映画やドラマでも女房が他の男を家に引き入れて情事しているところに旦那が帰ってきてしまうというシーンが多々あります。その逆もよくありますが・・。現在、日本でも「貞節」とか「貞操」という言葉は死語に近くなっていますが・・・。それにしても、「オレは裏口男だぁ」と歌にしてしまうところがアメリカというかブルーズはすごい!です。
ミシシッピーあたりを放浪した後、40年代に入ってからメンフィスに腰を下ろした。
初レコーディングが1951年ですでに40才を過ぎていた。
40才で初録音なんてほとんどいまでは考えられないことですが、プロになるという意識がなく田舎の酒場などで週末だけライヴをやっていた黒人ブルーズマンの中にはそういった遅咲きの人が結構います。
その初録音をしたメンフィスの「サン・レコード」にもウルフは素晴らしいブルーズを残していますが、52年から亡くなるまではずっとシカゴの「チェス・レコード」からシングル、アルバムを出し続けました。今日聴いてもらっているのもそのチェス録音のものです。そして、チェスから出した録音からヒットがたくさん生まれ、その中のいくつかの曲は現在でもブルーズのスタンダードとして歌い継がれています。

3.Louise/Howlin' Wolf
ウルフの歌も素晴らしいのですが、ウルフのブルーズをずっと後ろで支え続けたギタリストのヒューバート・サムリンの切れ味最高のギターが聴けるのがこの曲。
ウルフはミシシッピーの香りがする土着的な力強い歌がウリだったが、サムリンのギターはB.B.キング・スタイルのモダン・ブルーズ・ギター。しかし、このふたつがうまく合体したところでウルフの独自のブルーズ・サウンドが出来上がったと言えます。ちなみに60年代にイギリスのエリック・クラプトン、ストーンズのリズム隊であるチャリー・ワッツ、ビル・ワイマンたちロック・ミュージシャンとコラボしたアルバム「ロンドン・セッション」を録音した時も、右腕のヒューバートだけは連れていったウルフでした。
ステージではスクーターで登場したり、股ぐらをつかんでニヤニヤ笑ったり、ステージを這い回ったりかなり破天荒なパフォーマンスをした人ですが、インタビューや彼の自伝「ハウリン・ウルフ/ブルースを生きた狼の一生」(P-Vine Books刊)を読むと理性的で知的な人だったことがわかります。時代の流れに流されていくブルーズマンも多い中、彼は一徹な人で最後のアルバムとなった「Back Door Wolf」までしっかりと芯の通ったブルーズをやり続けた人でした。
また、彼の曲が多くのロック・ミュージシャンにカヴァーされたのも大きな特徴です。
クラプトン在籍のクリームは"Sittin' On Top Of The World"と"Spoonful"、ドアーズは"Back Door Man"、ジミ・ヘンドリックスは"Killing Floor"、ローリング・ストーンズは"The Red Rooster"と、ブルーズ系ロックバンドは必ずと言ってよいほどウルフの曲をカヴァーしている。それほどウルフの曲には魅力がある。
アーシーな魅力をたっぷり含みパワフルにグルーヴし、ギター・サウンドとしてもかっこいい。そして、ウルフやウィリー・ディクソンの書いた曲と詞が素晴らしいからだ。私も自分のバンド"blues.the.butcher-590213"のアルバム「Spoonful」で"Spoonful""Sittin' On Top Of The World""Killing Floor"の3曲をカヴァーしたくらいウルフは大好きてす。
彼の勇姿を観たい方はDVD「Howlin'Wolf/ヴィンテージ・ライヴ 1970」(Pヴァイン PVDV-39)を買い求めてください。目が飛び出ます!!!
最後にウルフの人間性がよくわかる話をひとつ。
ブルーズマンの中にはその日暮らしのような生き方をする人が多いのですが、ウルフは自分のバンドのメンバーがバンドがなくなっても生活に困らないようにみんなのギャラから少しづつ保険用に貯めていた人でした。

☆今回のお薦めアルバム
The Real Folk Blues/Howlin' Wolf (Chess     MCA UICY-3434)
これは50年代と60年代のチェス・レコードでのシングルを集めたアルバム。名曲「Killing Floor」も収録されている。中身も充実しているが私はこのジャケ写が大好きだ。亡くなった私の母方の叔父を想い出させるこのウルフの笑顔は叔父がお酒を飲んでごきげんになった時の顔に似ている。素敵な笑顔だ。
このアルバムは1966年にチェスからリリースされたものだが、これ以前に出された「Moanin' In The Moonlight」と「Howlin'Wolf」という2枚のアルバムも歴史的な名盤。



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青森県3カ所でライヴ!!
弘前のFMアップ・ウェーブで番組「BLUES POWER」のパーソナリティをつとめ、昨年青森市の「ジャパン・ブルース・フェスティバル2010」にも出演したブルーズ・ザ・ブッチャー(blues.the-butcher-590213)の永井ホトケ隆が同バンドのハーモニカKOTEZと2月26日弘前、27日青森、28日八戸と青森県3カ所でライヴを行います。

26日弘前は関西でも続けている永井ホトケ隆がブルーズの歴史や歌詞、ブルーズマンのエピソードなどトークをまじえてKOTEZとライヴを行う「永井ホトケ隆のブルーズ講座」そして、青森と八戸では昨年リリースされた好評のハーモニカ付きCD「ブルースハーモニカの扉」のリリースライヴです。どちらの会場でもCDなどの販売が行われます。2人のデュオライヴのツアーは珍しいので是非みなさまお越しください。

2/26(土)弘前 Eat&Talk (tel 0172-37-2222)
「永井ホトケ隆のブルーズ講座」
出演:永井ホトケ隆vo&g  KOTEZharmonica&vo
19:00開演 Charge ¥2500
弘前市大字和徳64
http://eatandtalk.jp/

2/27(日)青森 Cafa bar Atom(tel 017-775-1330)
「ブルースハーモニカの扉」リリース・ライヴ
出演:永井ホトケ隆vo&g  KOTEZharmonica&vo
19:00開演 Charge ¥3000
青森市安方2丁目9-7 福原ビル2F
http://cafebar-atom.com/

2/28(月)八戸 FLAT(tel 0178-44-3898)
salt street night「ブルースハーモニカの扉」リリース・ライヴ
出演:永井ホトケ隆vo&g  KOTEZharmonica&vo
開場19:30  開演20:00  Charge ¥3000
青森県八戸市三日町27中央ビルB1
http://bar-flat.com/


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A-Side 2008年11月28日 ON AIR
☆Hound Dog Taylor(ハウンド・ドッグ・テイラー)
この前のゲイトマウス・ブラウンのゲイトマウス(大口)というあだ名もすごいですが、このハウンドドッグも猟犬ですからね・・・。写真をみてもらえると猟犬という感じも確かにあります。まあ、犬顔ですね。本名セオドア・ルーズヴェルト・テイラーと立派な名前があるのに猟犬ですから、親も泣きますよね。
1917年にミシシッピー州ナッチェスというところで生まれています。
子供の頃からミシシッピーの農場で働きながら近所の酒場で歌ってましたが、多くの南部のブルーズマン同じように小作人として働くのがイヤになってシカゴに出ていきました。
彼は40年代からずっとシカゴのストリートでそしてゲットーのバーで同胞の黒人たちに向けてワイルドでパワフル、そしてパンキッシュなブルーズをプレイし続けていました。しかし、長い間レコーディングには恵まれなかったのですが、彼はとにかく毎晩のようにライヴを続けました。そして、彼の初めてのアルバムが世に出たのは1971年。彼が54才の時。完璧に「おっさん」です。
しかし、このおっさん、ただもんじゃない。ベースなし、ハウンドドッグのギターともうひとりのブリューワー・フィリップスのギター、そしてテッド・ハービーのドラム、「ハウスロッカーズ」と呼ばれるこの三人から打ち出されるブルーズは体がのけぞってしまうほど荒々しく、リアルで強烈でした。そのへんのパンク・ロックなんぞ目じゃないです。
このハウンドドッグのブルーズにはブルーズにとって最も大切な心のリアルな衝動が混じりものなしでストレートに感じられます。ビートは常に躍動し歌は心の底から吹き上がっています。
エルモア・ジェイムズ直系のワイルドなスライド・ギターの音を持ち味とするハウンド・ドッグは決して器用な人ではないのがわかります。スライドのピッチがずれることもままあります。歌も上手さで売っている人ではないのですが、この人のブルーズは一度聴いたら忘れられなくなるくらい強烈です。
僕は彼のライヴを一度も観ることができなかったのですが、シカゴのクラブでウィスキーをストレートで飲みながらこのハウンド・ドッグのブルーズで踊り狂いたかったと思います。1975年没。

1.Wild About You,Baby/Hound Dog Taylor
ハウンド・ドッグ・テイラーはこの番組で以前特集したことのあるスライド・ギターの名人、エルモア・ジェイムズ直系のブルーズマンでエルモアの弟子筋にあたります。
この曲もエルモアのカヴァーですが、のっけの強烈なスライド・ギター・サウンドを聴いた僕の友達のひとりは「これって、ギターの音?」と言いました。はい!紛れもなくブルーズ100%のスライド・ギターの音です!

2.It Hurts Me Too/Hound Dog Taylor
相当な音量のギターふたつのからみで始まるこの曲、思わず「おおっ!!」と笑みがこぼれます。ベースのいないドラムとギター二本のサウンドはかなりチープですが、時にジミ・ヘンドリックスのロックを感じさせるのは何故でしょうか。
これもエルモアのカヴァーで「自分の好きな女が他の男を好きで、その男が彼女を大切にしないのに心を痛めている」というつらい歌です。

3.Give Me Back My Wig//Hound Dog Taylor
ハウンドドッグが演奏するシカゴのクラブでは延々とこういうブギが繰り返されて、みんな踊り明かしていたんでしょう。めっちゃファンキーな曲です。
「オレのカツラ返せ」という歌です。ハウンドドッグはいつも帽子を被っていたと思っていたのですが、そういえばいかにもカツラと分かるチープなウィッグを被っている写真を見たことを想い出しました。それはとてもとても不自然な感じでした。
余談ですが、ハウンドドッグは左手の指が6本あります。でも、指が多いからと言っても演奏は普通の人と変わりません。

☆今回のお薦めアルバム
Hound Dog Taylor&The House Rockers/Hound Dog Taylor
(Alligatorrecords/P-ヴァイン・レコード PCD-23955)*P-ヴァイン・レコードの日本盤ではアルバムタイトルが「ハウンド・ドッグ・テイラー・ファースト」となっています。
1971年、アリゲーター・レコードのブルース・イグロア氏はそれまで務めていたデルマーク・レコードを辞めて、このアルバムを出すために自ら「アリゲーター・レーベル」を立ち上げた。彼はそれほどハウンド・ドッグのブルーズに惚れ込んでいたのです。そして、ハウンド・ドッグとハウス・ロッカーズのメンバーが、イグロア氏のその熱意に見事に応えたパワフルなブルーズの名盤がこれだ。
シカゴのサウスサイドのクラブで日頃からやっている彼等のブルーズに何も手を加えないでそのままギュッとパックしたアルバムだ。まあ、これほど強烈な個性あふれるサウンド、歌、グルーヴに余計な手を加えようもないが・・・・・。ブルーズという音楽が一体何なのかという答のひとつがこのアルバムの中にあると思います。そして、ブルーズのそのレアな実体が、1971年という黒人音楽の主流が「ニューソウル」という時代だったにもかかわらず、こうしてアルバムに記録されたことが嬉しい限りです。ハウンド・ドッグの炸裂するスライド・ギター・サウンドの洗礼をこのアルバムで受けてください。
このアルバムの後アリゲータからリリースされた73年の「Natural Boogie」、そして75年のライヴ盤「Beware Of The Dog」も素晴らしいアルバムでお薦めです。

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A-Side 2008年11月14日 ON AIR
☆Clarence  Gatemouth Brown(クラレンス・ゲイトマウス・ブラウン)
あだ名がGatemouthだから直訳すると「門口」・・・つまり「大口」ということか。写真を見ると確かに口がでかい。ちなみに弟のあだ名はJames Widemoth Brown。Widemouthだから弟の口も広い、つまり大口なのか。「大口兄弟」・・・・ふたりの2ショット・写真を見るとそんな感じがしないでもない。
1924年にルイジアナ州のヴィントンというところで生まれたゲイトマウスのお父さんはローカル・ミュージシャンだったということで、小さい頃からピアノやギターには親しんでいたようです。

1.Okie Dokie Stomp
いろんな種類の音楽がミックスされた「クロスオーバー」という音楽が流行った70年代初中期に発表されたギタリスト、コーネル・デュプリー(スタッフ、キング・カーティス&キングピンズ)のソロ・アルバム「Teasin'」にこの曲が収録されていた。
同じテキサスの大先輩ゲイトマウス・ブラウンのこの曲を若き日に一生懸命練習したのだろう。デュプリーのギターはほとんどゲイトマウスと言ってよいくらいだ。
前にも言ったがテキサスには優れたブルーズマン、ギタリストが多い。
そして、この曲で聴かれるようにテキサス系のブルーズギターはアグレッシヴで躍動感にあふれている。そして、ホーン・セクションを用いたヒューストン・ジャンプと呼ばれる強烈にダンサブルなブルーズを流行らせた張本人がこのゲイトマウス・ブラウンだ。
もう、スウィング感にあふれた文句なしのブルーズ・インストルメンタルの名曲です。
ゲイトマウスはギターだけでなくヴァイオリン/ハーモニカ/ビオラ/マンドリンなどたくさんの楽器を演奏して、もちろん歌も歌うわけですが、演奏する曲もブルーズだけでなくジャズ、スタンダード、カントリーと多岐に渡ります。私個人としてはブルーズだけを聴きたいのですが、インタビューでは「オレはブルーズしかできないブルーズマンじゃないんだ。オレはアメリカン・ミュージックすべてをやってるんだ」と言い放っております。でも、どう聴いてもブルーズやっている時にいちばん本領が発揮されていると思うのですが・・・。次のスロー・ブルーズなんかもテキサス流のドライなムードが漂う素晴らしい1曲です。

2.Sad Hour
このスローブルーズなどを聴くとゲイトマウスより先に華開いたテキサス出身のT.ボーン・ウォーカーの影響をはっきりと感じるのですが、「あなたはT.ボーンの影響を受けてますよね」というインタビューに「いや、影響なんかウケてないよ。オレは誰の影響も受けていない」なんていうへそ曲がりのゲイトマウスです。
次のような豪快な曲調がいかにもゲイトマウスです。イントロと途中のギター・ソロのワイルドな感じはまさにゲイト節炸裂です。

3.Midnight Hour
こういうゲイトマウスの音楽性に影響を受けたのが同じテキサスのジョニー・ギター・ワトソン、アルバート・コリンズといったブルーズマンです。60年中頃テキサスを中心に放映されていた「ザ・ビート」というテレビ番組があり、実はそのハウスバンドのバンドマスターがゲストマウスでした。そういう番組の音楽をまかされるほどゲイトマウスは人気と実力があり、やはり後輩に与えた影響も大きいものがありました。ちなみに「ザ・ビート」はDVDとなって何巻かに渡ってリリースされていましたが入手は難しいかも知れません。

4.Ain't That Dandy
このインストルメンタル曲でも彼の素晴らしいギター・ワークが聴けます。
彼は1949年にドン・ロビーという黒人の実業家に見込まれて初レコーディングをするのですが、ドン・ロビーはなんとゲイトマウスのために「ピーコック・レコード」を創設したのです。でも、今日聴いてもらってわかったと思いますが、ゲイトマウスのブルーズにはそれだけ投資する価値が充分あったと思います。
ゲイトマウスは日本には二度やってきました。僕はボビー・ブルー・ブランドとカップリングで初来日した1978年11月に中野サンプラザで観ましたが、カウボーイ・ハットをかぶり細身で長身のゲイトマウスはとてもカッコいいブルーズマンでした。
最後にブランドとともにステージに立ちセッションしたシーンでは、同じ時代に同じレコード会社(ブランドはピーコック系列のデューク・レーベル)からデビューして、テキサスを中心に一世風靡したふたりの偉大なブルーズマンに胸が熱くなったものです。
残念ながら2005年ゲイトマウスは癌の闘病中に例のハリケーン/カトリーナの被害に遇い自宅を奪われ、そのショックで生きる気力をなくし他界しました。享年81才でした。

☆今回のお薦めアルバム
The Original Peacock Recordings/Clarence Gatemouth Brown
(ROUNDER CD2039)
まずは定番中の定番。

名盤中の名盤のこのアルバムをゲットしてください。
私がブルーズを聴き始めた頃、初めて手に入れたゲイトマウスのアルバムがイギリスのレッド・ライトニンというレーベルから出ていた「SanAntonio Ballbuster」というアルバムでした。それまで聴いていたシカゴ・ブルーズなどとまた違ったサウンドとグルーヴに買った途端に病みつきになり毎日聴いていた想い出があります。そのアルバムのほとんどがこの"The Original Peacock Recordings"に収録されています。



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A-Side 2008年10月31日 ON AIR

Guitar Slim(ギター・スリム)

ギター・スリムと言う名前はアール・キング、バディ・ガイ、ゲイトマウス・ブラウンなどルイジアナ或はテキサス出身のブルーズマンのインタビューからよくその名前が出てくる(ジミ・ヘンドリックスのインタビューでも名前が挙がっていたなぁ)。アール・キングに至ってはギター・スリムと名乗ってライヴをやっていたこともあるというからめちゃくちゃですが・・。でも、そのくらいギター・スリムに影響を受け、彼の曲はほとんど出来たという話。

まあ、とにかく影響力のあったブルーズマンですが、ギター・スリムと言えばこれ!と言う曲が今日の1曲目です。

「オレがよくやっていたことはオレはもうやらないんだ。オマエの手を握りしめてどうか行かないでくれって以前は泣いたものだけど、もうそんなことやらないんだ。もうオマエを喜ばせることはしないんだ」つまり決別の歌ですね。もうオマエとはいっしょにやってられないという別れの歌です。たぶん、他に男がいるモテる女なんでしょうね。

1954R&Bチャートで1位になりその年に最も売れたブルーズ、R&B曲です。

1.The Things That I Used To Do/Guitar Slim

 

聴いてもらってわかると思いますが、ギターの音が歪んでいます。というのもこの人、めっちゃ音大きいんです。それでギター・アンプの音がいつも歪んでいます。

クラブでライヴやっている時は1マイル(1609メートル)

離れていても音が聞こえたといいますから、やはりかなりでかかったんでしょう。

レコーディングする時もギターの音が異常にでかくて、録音エンジニアは大変だったそうです。

大変だったのは音量だけではなく、生き方も大変な人で毎日毎晩大酒を飲み、女をはべらして、毎日をパーティのように生きた人でした。普通の人が生きる半分の時間で人生を思いっきり駆け抜けたような人です。

そういう生活をしていたら当然のように33才という若さで亡くなりました。

自分の宣伝みたいな歌ですが・・・次は。

「オレはギター・スリムって呼ばれてるんだ。君の町に演奏にやってきたんだ。もし、オレの音楽を好きじゃなかったら町をウロウロするつもりはないよ・・・」

2.Guitar Slim/Guitar Slim

 

次の歌は元々ゴスペルだったものをベースにしていると思います。

歌い方やアレンジ、曲調などにゴスペルのテイストがあり、実はこのギター・スリムはブルーズにゴスペルの要素を持ち込んだ最初のブルーズマンと言われています。

偉大なレイ・チャールズが自分の音楽にゴスペルのテイストを入れたことで大ヒットを出して有名になりましたが、実は今日最初に聴いてもらった"The Things That I Used To Do"のピアノを弾いているのはまだブレイクする前のレイ・チャールズなんです。

このギター・スリムからレイ・チャールズは自分の進む音楽のヒントを得たのかも知れません。

3.Well I Done Got Over It/Guitar Slim

 

ギター・スリムがミュージシャンとして活躍したのはおよそ10年、1950年から59年までです。

さきほども言いましたように33才という若さで亡くなりましたが、彼が多くのミュージシャンに与えた影響は計り知れません。

そして、1曲目の"The Things That I Used To Do"はいまやブルーズのスタンダード曲としていまもたくさんのブルーズマンに歌われ継がれています。

では、最後にもう1曲ギタースリムで「ガール・フレンドへの手紙」・・・日本語で訳すと正味でんなぁ。

4.A Letter To My Girl Friend/Guitar Slim


☆今回のお薦めアルバム

The Things That I Used To Do/Guitar SlimP-Vine RecordsPCD-1901  オリジナルはSpecialty Records )


ギター・スリムはまずこのアルバムというのがこの"The Things That IUsed To Do"。大ヒットのタイトル曲を含むスペシャルティ・レコード時代のアルバムで、私が持っているのは以前日本のP-Vineレコードから出ていましたが現在どうもないようです。中古店で探すかネットで探すか・・・。でも、オリジナル盤の値段が高ければほぼ同じ内容の

次のアルバムが出ていますのでそれを買ってください。Sufferin Mind/Guitar Slim(Specialty アメリカ輸入盤)アルバムのジャケット写真のスリムさんの顔が日本人的(田舎町の日焼けしすぎ、酒飲み過ぎの遊び人というムード)で非常に親しみを感じます。

 

The Things That I Used To Do/Guitar SlimP-Vine Records PCD-1901  オリジナルはSpecialty Records )




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Side A 2008年10月17日 On AIr

FREDDY KING

ブルーズ史上「3大キング」と言われる1人が今回のフレディ・ キング。1934年にテキサスで生まれている。

あとのふたりのキング、B.B.キング、アルバート・キングより

10才ほど年下なのに亡くなったのは一番早かった(ちなみにフレディはモダン・ブルーズの若手といわれたマジック・サムやオーティス・ラッ シュと同年代だ)。いまもB.B.が現役として素晴らしいステージを続けているがアルバートもすでに鬼籍に入り淋しい限りだ。

3人ともそれぞれ独自の演奏スタイルをもっていて、それぞれヒット曲 もあり黒人ブルーズマンとしてはポピュラーな存在で誰がいちばんということはない。

フレディ・キングが他のふたりのキングと最も違うところはギターのイ ンストルメンタル曲のヒットが多いことだろう。それ故に、ギタリストととしての注目度は最初から大きく、かのエリック・クラプトンも若き 日はこのフレディ・キングのギターのコピーに励んでいたというか、 「そのまんまフレディ」もたくさんある。そのクラプトンが「ジョン・メイオール&ブルースブレイカーズ」時代に録音しているフレディ・キ ングの最大のヒットをまず聴いてください。これが1960年リリースのオリジナル「ハイダウェイ」。

 

1.Hide Away/Freddy King

フレディ・キングは16才までテキサスに住んでいたのでテキサ ス・ブルーズギターの影響を随所に聴くことができるのだが、この「ハイダウェイ」ではライトニン・ホプキンスのテイストも聴くことができ ます。

いまやブルーズのインストルメンタル曲の定番です。

 

2.You're Got To Love Her With A Feeling

フレディは歌もギターもそのテンションの高さでロック系のギタリスト からの尊敬も多く集めているが、こういうゆったりとしたミディアム・テンポの曲での味わいもなかなかにいい。

本人はシカゴ・ブルーズギターの名手、ジミー・ロジャースも私淑して いたようでその片鱗もギターの所々で窺える。

 

3.I'm Tore Down

61年にビルボード・チャートの上位に挙がったフレディの看板曲のひとつ。これもクラプトンがカヴァーしているが、ステービー・レイボーン、忘れちゃいけないマジック・サムも録音しているいまやブルーズ・ クラシックスの1曲。「オレはもう君にメロメロ」と、どうしょうもなく女にホレてしまった歌。

 

4.Going Down

フレディ・キングのレコーディング歴は6066年のフェデ ラル/キング時代、6869年のコテリオン/アトランティック時代、70年代に入ってレオン・ラッセルのレーベ ルであるシェルター時代、そしてクラプトンのレーベルだった

RSOとなる。この"Going Down"はシェルター時代のアルバ ム"Getting Ready"に収録されている。歌もギターもテンションが高くかなりロック・テイストの強いものになっている。

 

最初に書いた3人のキングが60年代終わりから70年にかけてそれぞれ違うスタイルを取り入れていたことにいま気づいた。

B.B.キングはソウル的になりスティービー・ワンダーとのコラボがあり、アルバート・キングはスタックス・レコードでファンク・グループ のバーケーズなどをバックにファンク化していた。そして、このフレ ディはレオン・ラッセルやクラプトンとの交流がありロック方面に進出しロック・フェスティバルに出演していた映像なども残っている。実は 先日、ブートレッグ映像で「グランド・ファンク・レイルロード」のコ ンサートにオープニングで出演しているフレディを入手した。もう血管キレそうなくらいのテンションだった。

 

そのテンションの高さが原因だったわけでもないと思うが、フレディは 1976年に心臓病で42才という若さで亡くなってしまった。


☆今回のお薦めアルバム

Freddy King Sings/Freddy King P-Vine PCD-3831)


オリジナルは1961年アメリカのキング・レコードのリリース。これがフレディ・キングのファースト・アルバムだ。ギターのインパクトも強い人だがこのアルバムタイトルにもあるように"Sings"・・・歌も力強くて素晴らしい。今日On Airし た"You're Got To Love Her With A Feeling" "I'm ToreDown"が収録されているし、クラプトンが得意曲にしていたスロー・ブルーズ"Have You EverLoved A Woman"のオリジナルも入っている。私が初めて買ったフレディのアルバムはこれだった。もうアナログ・レコード盤は擦り切れて聴けない状態になり10年くらい前にCDを買った。そのくらい愛聴してきたアルバムだ。



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SIDE A 2008年10月3日 On Air

Elmore James

今回はブルーズのスライド・ギターと言えば必ず名前がでるエルモア・ ジェイムズの特集です。

ブルーズ・フィールドではハウンドドッグ・テイラー、ホームシック・ ジェイムズ、J.B.ハットー、ロックではデュアン・オールマンなどこのエルモアのフォロワーは多い。

 

60年代のブリティッシュ・ブルーズ創世期のバンド「フリート・ウッドマック」のギタリスト、ジェレミー・スペンサーなんかはエルモアだけが熱狂的に好きでブルーズをやっていたような印象がある。その人の人生を変えてしまうくらいエルモア・ジェイムズのブルーズから受けるインパクトは強い。いつもフル・スピードで走っているようなパワフルでソウルフルな歌と一度聴いたら忘れられない強烈なスライド・ギターは個性的なミュージシャンが多いブルーズの中でもワン&オンリーの存在だ。

 

では、最初に彼の代名詞ともなったこの曲から聴いてみましょう!


1.Dust My Broom

これは1930年代の伝説のブルーズマン、ロバート・ジョンソンの"I Believe I'll Dust Mt Broom"が原曲。

いろんな男に色目を使う女に愛想を尽かせて、きれいさっぱり部屋を片付けてオレはもうここを出ていくよ・・・・という内容。

ギターのチャッチャッチャッ・・・という3連符が頻繁に出てくるが、これがエルモアのギター奏法の大きな特徴でこの曲のタイトルから「ブルーム(Broom)調」と呼ばれている。ちなみにエルモアのバンド名もこの曲名からとって「ブルーム・ダスターズ」この手の曲がアルバムに何曲も入っており、それもキーがほとんど同じだったことから最初聴いた時は「ひどいレコードを買ってしまった」と騙された気分になった。

ところが、ずっと聴き重ねていくうちに塩昆布のように味が出てきてやみつきになるのがこのエルモア・ジェイムズ。

 

次はスロー・ブルーズ。

のっけのギターの音色だけでもやられてしまうが、その後に続く魂のこもった素晴らしい歌!

歌詞はこうだ。

「空が泣いている。ストリートに涙が転がり落ちるように空が泣いている。

あの娘をずっと探しているんだけどどこにいるのかわからないんだ。

ある日、あの娘がストリートを歩いているのをみかけたんだ。

それを見ただけでオレの心は飛び跳ねてオレはうれしくなってしまう。

ああ、いやな気分だよ。あの娘はもうオレのことを愛してないんだよ。

ああ、空は泣き続けている。オレの部屋のドアまで涙が転がり落ちて来るんだ」

 

2.The Sky Is Crying

この"The Sky Is Crying"は多くのブルーズマン、ロック・ミュージシャンに取り上げられている(スライド・ギターを弾かない人たちにも)。それはとにかく、この切ない歌詞がたまらなくいいからだ

ろう。

 

3.Elmore's Contribution To Jazz

インストルメンタルの曲でタイトルは「ジャズへのエルモアの寄付・・

貢献」とでも訳すのでしようか?

素晴らしくスピード感のあるプレイでエルモアのスライド・ギターの切れ味も鋭い。

やはり、スライド・ギターの巨人という呼び名にふさわしい演奏だ。

 

次の曲はまだエルモアを知らないころにオールマン・ブラザーズ・バンドのアルバム「アット・フィルモア・イースト」に収録されているカバーで知った。エルモアをカバーしたたくさんのギタリストの中ではデュアン・オールマンがそのニュアンスをもいちばん伝えていていると思う。一度、オールマンの方も聴いてみると面白いですよ。

 

4. Done Somebody Wrong

エルモア・ジェイムズは1918年にミシシッピーで生まれている。

14才の頃には週末はクラブで演奏していたというからやはり才能はあったのだろう。

1937年〜38年頃には(エルモアは20歳くらい)ロバート・ジョンソンやサニーボーイ・ウィリアムスンと南部を放浪しているから相当な強者だ。そのサニーボーイのレコーディングに誘われてついでに録音したのが、今日最初に聴いてもらった"Dust My Broom"。これがヒットしてR&Bチャートのトップ10入りをした。

彼はずっと心臓が悪くていつ死ぬかわからないという不安につきまとわれていた。歌詞の中にも"My Time Ain't Long"というのが度々出てくる。そして、1963年、45才という若さで亡くなった。

実はこのエルモアの素晴らしい伝記本が出版されているので興味のある方は是非読んでみてください。

「伝エルモア・ジェイムズ ギターに削られた命」(スティーブ・フランツ著 西垣浩二訳 ブルース・インターアクションズ刊ン)

 

☆今回のお薦めアルバム

The Very Best Of Elmore James・ Dust My Broom/エルモア・ ジェイムズ(P-Vine Records PCD23548)

エルモアにはいいアルバムがたくさんあるのですが、今回は現在入手しやすいアルバムということで日本盤のこのベスト盤をお薦めします。

50年代から60年代にかけて録音されたエルモアの音源を集めたもので代表作(Dust My Broom,The Sky Is Crying,Shake Your Money Maker,It Hurts Me Too, Please Find My Babyなど)はほぼ収録されています。たぶん、これを聴いた翌日にはブルーム調のチャッチャッチャッ・・・という3連符が一日中頭で鳴っていると思います。

まず手始めにここからエルモアに入りあとは深いエルモアの世界の旅に出かけてください。

The Very Best Of Elmore James Dust My Broom/エルモア・ ジェイムズ(P-Vine Records PCD23548)


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「ブルース・ハーモニカの扉」
11/3に鈴木楽器から発売されたKOTEZくんと僕が作ったアルバム
「ブルース・ハーモニカの扉」が好評です。

今回はブルーズにおけるハーモニカの魅力をよりたくさんの方に知ってもらおうという企画で、KOTEZくんと僕が演奏したCDプラスハーモニカがひとつ付いたボックスになっています。それで3500円!ハーモニカだけでも3000円くらいするので破格の値段です。
CDの方はKOTEZくんが指導してくれて練習できる教則的な意味合いのトラックもあり、そのあとにKOTEZ君のハーモニカがなくて僕と一緒に練習できるトラックも入ってます。

ハーモニカはポケットにも入るしどこでも練習できます。
そして、みなさんご存知だと思いますがハーモニカの音色はとても心和むものです。


この機会にもう一度ハーモニカを手にしてみてください。
プロモーション・サイトも出来上がりました!CDとハーモニカ付きの今回の製品がどんなものかわかるように説明されていますし、僕とKOTEZくんのメッセージ画像もアップされています。

ご覧になってください
http://www.suzuki-music.co.jp/special/blues_harmonica/index.htm

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ジャパンブルースフェスティバル2010
■お知らせ
 
ジャパンブルースフェスティバル2010
ブルース・ザ・ブッチャー

7月25日 18:00より
青森県青森市 青い海公園 特設スタジオ ライブ

【入場無料】

詳しくは↓↓↓
http://www.aomori-yeg.jp/yasukata2010/blues/nagai.html
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BLUES POWER 年末年始放送日時の一部変更のお知らせ!
年末年始の特別編成に伴って各局BLUES POWERの放送日時が一部変更になりますのでお知らせいたします。

○ラヂオもりおか
1月1日(金)放送分→1月2日(土)20時〜に放送変更
○ラジオ3
1月2日(土)9時30分放送分→18時30分〜に放送変更

※他の局は通常通りの時間帯での放送となっています。

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